出生前診断
出生前診断とは、お腹の中にいる赤ちゃんに先天性の病気や染色体異常がないかどうかを調べる検査のことです。
もし、検査で異常が見つかった場合、妊娠中から病気や障害についての理解を深めることができ、生まれてくる赤ちゃんの状態に合わせた最適な分娩方法を選択できたり、赤ちゃんを育てていく環境を整える準備ができます。また、病気によっては生後すぐに、あるいはお腹の中にいるうちに治療が開始できる可能性もあります。
しかし、検査で「異常」が見つかった時に、「妊娠中から赤ちゃんの病気が分かったことで、心の準備ができたから良かった」と思う方もいれば、「妊娠中は赤ちゃんの異常について知ることなく過ごしたかった」と思う方もいらっしゃいます。
出生前診断をお受けになるかどうか、検査で異常が見つかった場合に告知を受けるかどうか、パートナーやご家族とよく話し合った上で決めていただければと思います。
出生前診断の種類
大きく分けて2つの種類があります。
非確定的検査
赤ちゃんの病気の可能性を評価する検査で、母体への負担が少なく、流産リスクがない検査
例)超音波検査
無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)
確定的検査
赤ちゃんの病気の診断を確定する検査で、母体への負担が大きく、流産リスクが生じる検査
例)羊水検査
絨毛検査
※青字が当院で行っている検査となります。
※N I P Tについては今後当院でも行う方針となっておりますが、開始時期については未定です。
胎児スクリーニング超音波検査
(検査の時期:妊娠20週と妊娠30週)
通常の妊婦健診でも胎児の成長や発育を確認するために行われていますが、20週と30週に胎児スクリーニング超音波検査(心臓や他の内臓などの形態や機能に異常がないかを時間をかけて行う検査)を行っております。
妊婦健診の一環として行いますので、全ての妊婦さんが対象になります。
胎児の染色体異常については可能性しか分からないため、診断の確定には確定的検査(当院では羊水検査)を行うことが必要になります。
検査結果 | 検査当日に判明します |
料金 | 5,000円 |
クアトロテスト
(検査の時期:妊娠15〜17週頃)
母体の腕から採血し、血液中にある4つの成分の値からお腹の赤ちゃんに異常があるかどうかを評価する検査です。
この検査によって全ての異常を見つけ出すことはできませんが、13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)、開放性神経管奇形(二分脊椎や無脳症など)の赤ちゃんが生まれる確率を知ることができます。
あくまでも疾患の確率が分かるだけの検査のため、診断の確定には確定的検査(当院では羊水検査)を行うことが必要になります。
検査結果 | 判明までに2週間程度要します |
料金 | 23,100円 |
ご希望の方は推奨検査時期前に担当医にご相談ください。
推奨検査時期を過ぎると検査できないことがありますのでご注意ください。
羊水検査 ※日帰り入院
(検査の時期:妊娠15〜18週頃)
お腹の中の赤ちゃんのまわりには羊水という液体があり、赤ちゃんを守っています。その羊水は赤ちゃんの尿から作られており、赤ちゃんは羊水を飲んだり吐き出したりして過ごすため、羊水中には赤ちゃんの細胞がたくさん含まれています。
羊水検査は、母体の腹部に針を刺して、羊水の一部を注射器で採取し、羊水中に含まれる赤ちゃんの細胞の染色体の数を調べる検査です。
この検査によって全ての染色体の変化が判明しますが、流産や破水等のリスクが約0.3%程度あるといわれています。
検査結果 | 検査項目の種類によりますが、判明までに1〜2週間程度要します |
料金 | 132,000円 ※日帰り入院 |
ご希望の方は推奨検査時期前に担当医にご相談ください。
推奨検査時期を過ぎると検査できないことがありますのでご注意ください。